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INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW

吉野北人×鈴木愛理
「勘違い」から
始まるストーリー

映画『昨日は殺れたかも』で勘違いからお互いを殺しあおうとする夫婦をコミカルに演じた吉野北人さんと鈴木愛理さん。俳優、アーティストとしても活動する共通点の多いおふたりに、共演を経ての印象や刺激を受けたこと、そして「勘違い」をテーマにお話を聞きました。

思いこみと勘違い

常識だと思っていたことが実は違っていたり、
小さな嘘ですこし恥ずかしい思いをしたり……。
ふたりの勘違いや思いこみにまつわるエピソードをお聞きしました。

Q.初対面で周りから持たれがちなイメージは?
吉野  「僕って顔が童顔で……かわいいじゃないですか(笑)。だから子どもっぽいとか、あんまり考えてなさそうと思われるんです。でもなめられたくないし、プライドも結構高くて。あとマイペースで、おじいちゃんとも言われます(笑)」

鈴木 「『あざとくて何が悪いの?』のMCになってからちょっと笑っただけでも「狙ってる!」と言われることもあったりで(笑)。実際は体育会系で育ってきて、あざとい装備は持っていないのですが、人を惹きつけていると考えたらうれしいですね!」

  
   

Q.思い込むことで前向きになれるタイプですか?
吉野 「時と場合によりますね。でもアーティストとして現実を見すぎてしまうと疲れちゃうところもあるんですよ。だから理想を求めているほうがいいのかなと思います。夢を追いかけていたときの気持ちのまま走り続ければ、そのほうがキラキラするかなって(と、ぎこちないウインクが飛び出す)」
鈴木 「いや下手!(笑)(と、ウインク合戦が始まり)……私は結構、現実を見るタイプです。マネージャーさんにも「お世辞でほめないでほしい」とお願いしていますし、大人の事情みたいなものも全部聞いたうえで提案をしたり。私は人に求めてもらうものに応えていくというのが好きなので、グッズ一個にしても歌声にしても、己だけがいいと思ってつくっているものには自信が持てないタイプで。マネージャーさんにいつも本音を言ってもらえることで、「本当によかったんだな」と思えて前に進めるんです。ただ、理想もちゃんとあるから、頭の中で処理しすぎずに、引き寄せるために言葉にしていて。そのほうが夢が近づく感覚があります。あと己にプレッシャーをかけるためにも宣言していますね」
吉野 「大人ですね!」
鈴木 「ちょっとしたことではへこたれない、図太女です!(笑)」
吉野 「強い(笑)」

 
 

Q.常識だと思っていたけど、実は違ったことは?
鈴木 「鈴木家ではお父さんが帰ってきたときに「おかえり」と玄関に行ったり、「いってらっしゃい」のときも家族全員で見送っていて。それを話すと、男性のマネージャーさんに「そんな家庭ないで!」とよく言われますね(笑)。でも私はそう育ってきたので、「いってらっしゃい」のあとに車が見えなくなるまで見送るとか、そういう家族をつくりたいなという理想があります」
吉野 「僕は海外に行くとその国によってルールや常識が違うので、それは楽しんでいますね。あと年齢の感覚。26歳くらいのときにアメリカに行ってお酒を頼んだんですけど、「君、まだ飲めないでしょ。パスポート見せて」とすごくしつこく年齢確認をされたんですよ。それで見せたら、「え? あってる? 本当に?」と驚かれて(笑)」
鈴木 「私も言われた! 『SIX』というミュージカルでイギリスのキャストの方たちに会ったときに、「何歳? 17歳?」と言われて、「32歳」と答えたらびっくりされて。聞いてきた子のほうが年下でした(笑)」

 
Q.ちょっとした嘘で、のちのち困った経験は?
吉野 「一昨日、はじめての単独ソロライブがあって、規模も大きかったので正直緊張していたんですけど、楽屋に来てくださったHIROさんに「北人、緊張してる?」と聞かれたときに、ちょっとイキって「いや、緊張してないですね」と言っちゃって(笑)。でもオープニングからガクブルすぎて、これは絶対にバレるわと思って、MCで「調子に乗って『緊張してないです』と言っちゃったんですけど、本当は緊張してます!」と言いました(笑)」
鈴木 「私はグループ時代、レコーディングがオーディションみたいな感じだったので「できない」は言わないというのがベースで。Buono!の『ソラシド~ねえねえ~』という曲で「いちばん高いロングトーン、出る?」と聞かれたとき、出るかどうかわからないけど、メイキングのカメラが回ってるし、出れば自分のパートになるかもと思って歌ったら、出たんです! レコーディングのたびにいちばん高いキーが更新されていったのはよかったなと思います。あと、この前のツアーで一曲目の入りがアカペラだったんですけど、なにも思い浮かんでいなかったのにバンドメンバーに「私だけで入ってみていいですか」と言っちゃったんですよ(笑)。結局それが採用されて、あのときの鼓動の高鳴りは忘れられないです。そうやって小さなプレッシャーはよくかけているから、寿命が縮まってそう(笑)」
吉野 「この話の感じ、俺がダサいやつみたいじゃないですか(笑)。ズルくない? しかもできちゃうんだから!」
鈴木 「できちゃったんだよね(笑)」

アーティストと俳優

今作では、俳優としてだけでなく、
アーティストとしても共演を果たし、
映画主題歌「ゾンビ・イン・ラブ」をデュエットで歌うおふたり。
お互いの現場での姿、取り組み方に刺激を受けたこととは。

Q.おふたりのデュエット曲で印象的だったことは?

鈴木 「THE RAMPAGEさんとしてもそうなんですけど、私はソロプロジェクトのHOKUTOとしての楽曲がすごく好きで。撮影中に歌声や音楽についてお話ししたことがあって、デュエットさせてもらうにあたり(吉野さんの)キラキラ具合と自分の色を入れるバランスをなんとなく想像していたので、自分も「これくらいの塩梅で挑もうかな」と考えたり、アーティストとしてうれしい発見がいっぱいありました。あとシンプルに声が素敵で、倍音がめちゃすごい!」
吉野 「ほめてもらえてうれしいです。アメちゃんなかったかな(笑)。アイリーンの歌声はパワフルだけど繊細さもあって、小手先じゃない技量も感じたし、マルチプレイヤーだなと思いましたね。やっぱり歌がうまいので、自分も負けないように「おりゃっ!」という感じでがんばりました(笑)。本当にリスペクトです。僕は「キスをあげるよ~♪」(Buono!の『初恋サイダー』)が好きですね」
鈴木 「今のレア! 音声を付録でつけてください(笑)。今回ダンスレッスンを一緒にやったのも楽しかったよね。MVに出てくださるEXPGの練習生の方々が、スタジオで私たちの練習を見ていたことがあって」
吉野 「そうそう(笑)。いつもとは違うポップな振りで踊るところを、直属の後輩に見られるのは、さすがにちょっと動揺しましたね」

 

Q.俳優として刺激を受けたことは?

吉野 「いるだけですごく現場が明るくなって、それをできる人ってなかなかいらっしゃらないというか。自分もそれに救われていましたし、ずっといい雰囲気でいられたのは、アイリーンのおかげです」
鈴木 「あ、アイリーンって呼ばれているんです(笑)」
吉野 「本人はあんまり意識してないと思うんですけど、普段通りでいるその感じが、自分としてもすごくお芝居がやりやすかったですね」
鈴木 「うれしい! (吉野さんは)サービス精神旺盛でちょけてくれたり、現場を盛り上げてくれるところもある中で、グッと覚悟が決まっているのが垣間見えるんですよね。それにTHE RAMPAGEさんの中にいるときとも違う、人を穏やかにさせる“吉野北人”としてのスイッチを入れてくれて、いい意味で肩肘張らずに現場にいられたなと思って。私も助けられたところがいっぱいありました」
吉野 「ありがとうございます!」

若い夫婦を演じたのに、
現場では老夫婦みたいな
穏やかさでした(笑)

 幸せな結婚生活を送っていたものの、ある勘違いから殺しあいを始める夫婦の姿を描いた映画『昨日は殺れたかも』。ユニークでスリリングな展開が見どころのラブサスペンスだ。

 

吉野 「ぶっ飛んだ内容や人の二面性が描かれているのが、クスッと笑えておもしろくて。それとサスペンスのバランスがマッチしていて、台本をめくる手が止まりませんでした」
鈴木 「脚本を読んでみたら、殺しあい方が独特で(笑)。身近なテーマではないけど、この映画では身近に感じられる不思議さやおもしろさがあって、「早く演じたい!」と思って、撮影を楽しみにしていました」

 

 吉野さんと鈴木さんが演技で共演するのははじめて。もともとどんな印象を持っていたのだろうか。

 

吉野 「すごくマルチに活躍されている方だなという印象でしたね。最初にバラエティでお会いしていて、テレビの中の人というか、芸能人っぽい人なんだろうなと思っていました」

鈴木 「キレイなお顔立ちで、スタイリッシュというか、クールでいろんな意味で今時な人なのかなと思っていたんですよ。『あざとくて何が悪いの?』で共演したときもこだわりの強そうなイメージがあったので、もし私が変な格好をしていたら「めっちゃダサいな」と思われたりするのかなと構えていたんです(笑)」

吉野 「ヤバすぎでしょ(笑)」

鈴木 「でも現場に入ったらイメージが180度変わりました。放つオーラがすごく穏やかでトゲがなくて、物腰のやわらかい温かい人で」

吉野 「おじいちゃんと呼ばれていました(笑)。(鈴木さんは)会ってみたら気さくで、自然体な方で。自分も繕わずにいたほうが楽そうだなと思えるくらい、居心地がよかったです」

鈴木 「若い夫婦を演じたのに、老夫婦みたいな穏やかさでした(笑)」

 

 緊迫したストーリーとは裏腹に、現場の雰囲気は和やかだったようだ。

 

鈴木 「ふたりで最初に取ったのが結婚式のシーンだったんですよ。誓いのキスのシーンは長回しで、(吉野さんの)顔がどんどん真っ赤になっていって、スタッフさんとかも「初対面だし、照れてるのかな」と話していたら、「いや、僕息止めてて……」って」

吉野 「配慮として、そういうものだと思っていたから(笑)」

鈴木 「それで初日から爆笑して始まることができましたね(笑)」

吉野 「ふたりで家で過ごすシーンは実際にある部屋で撮ったので、友だちが家に遊びに来たみたいな感覚でずっと話していましたね。休憩時間もくだらない話やプライベートの話をしたりとか(笑)」

鈴木 「でもそのとき話したこと、一個も覚えてないよね」

吉野 「正直ね、覚えてない。それくらいの浅い会話をしていました(笑)」

鈴木 「「俺の友だちはこんなやつらがいる」みたいに、お互いの友だちを見せあったのは覚えている(笑)」

吉野 「懐かしい(笑)」

[吉野さん分]
シャツ¥353,100(トム ブラウン/トム ブラウン ジャパン) アクセサリー(本人私物) その他(スタイリスト私物)


PROFILE

吉野北人

よしの・ほくと 1997年3月6日生まれ、宮崎県出身。オーディションを経て2014年にTHE RAMPAGEのメンバーに。ソロアーティストや俳優としても活躍しており、現在HOKUTO名義でのライブツアーを開催中。

鈴木愛理

すずき・あいり 1994年4月12日生まれ、千葉県出身。2002年からハロー!プロジェクトに在籍し、2007年に℃-uteのメンバーとしてメジャーデビュー。グループ解散後はソロアーティスト、俳優、MCとして活躍中。


INFORMATION

映画『昨日は殺れたかも』

運命的な出会いを経て、元ヤクザ、敏腕社長という素性を隠して結婚生活を送る光弘と咲奈。しかし愛が強すぎるがゆえにお互いにある疑念を持ち、ひそかに殺害計画を企て始める――。

●原作:藤石波矢・辻堂ゆめ『昨夜は殺れたかも』(講談社タイガ) ●監督:松木 創 ●出演:吉野北人、鈴木愛理、工藤阿須加、王林ほか ●主題歌:HOKUTO、鈴木愛理「ゾンビ・イン・ラブ」(ポニーキャニオン) ●配給:ポニーキャニオン ●10月23日(金)公開

©2026 映画『昨夜は殺れたかも』製作委員会


photographs_YUTARO YAMANE [TRON]
styling_KEISUKE YOSHIDA(for YOSHINO), YURINA INABA [KIND](for SUZUKI)
hair & make-up_TOSHIYASU OKI [CONTINUE] (for YOSHINO),TOMOKA FUKUMA[VANITÉS] (for SUZUKI)
interview_SONOKO TOKAIRIN


※SPRiNG2026年11月号掲載の記事を再編集したものです
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※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。