奥平大兼／佐野晶哉（Aぇ! group）
共鳴するシンパシーとエンパシー

　　少しだけ人の気持ちが見える“かくしごと”を持つ５人の高校生の思いを繊細に映し出した映画『か「」く「」し「」ご「」と「』。この作品で奥平さんは自分に自信を持てない高校生・京を、佐野さんは京の親友でムードメーカーのヅカを演じた。
奥平　「ヅカは晶哉のまんまだと思う。周りがよく見えているし、みんなを均等に気にかけていて、その振る舞い方も明るくて」
佐野　「周りは見えているほうだと思います（笑）。原作を読んだときも、演じながらもヅカと自分が似ているなと思う部分があって、監督からも『そのままスクリーンに映ってくれたらいいから』と細かい指示みたいなものはあんまりなくて。大兼と京くんは結構真逆じゃない？ 京くんは自信なさげで何事もネガティブに捉えがちやけど、大兼は、いい意味で自信を持った発言が多くて、そういう部分がすごく好き！」
奥平　「真逆。全然似ていないけど、学生時代に自分が思っていることを言えない人たちを近くで見ていたこともあって、その気持ちはわからなくはなくて。あとは監督と話しながら演じましたね」
　
　今回が初共演だが、撮影が始まってすぐに距離は縮まった。思い出も色濃く残っている。
佐野　「ふたりでドライブに行きましたね。撮影が新潟だったので刺身とか魚の串焼きを食べて、松山千春さんの話をして（笑）」
奥平　「この現場で松山千春さんが大流行りしたんだよね（笑）。ドライブでこの雰囲気に合う曲をかけようと『大空と大地の中で』を聴いて」
佐野　「はて～し～ない～♪（と口ずさむ）。もう、これがドライブしながら聴くと泣きそうになるくらいよかってんな。そのときにわかったけど、ふたりの音楽の趣味がすごく似ていて、『この曲、世界でいちばんいいよな』とか言いながらKing Gnuさんの曲を流したり。毎日のようにごはんに行っていたし、撮影が休みの日も一緒にいて、去年の夏の思い出は大兼だらけなんです」
　　
　ここまで仲が深くなったからこそ、奥平さんにはやってみたいことがあるそう。
奥平　「晶哉の主戦場ともいえるステージで輝く姿を観たいんです。それではじめてAぇ!  groupのファンクラブに入ったんですよ、スタッフさんも一緒に（笑）」
佐野　「カラオケでな（笑）。同じタイミングなら会員番号が続くんちゃうかって入ってくれて」
奥平　「こうやってお仕事が一緒になると招待していただくことがあるんですけど、せっかくだったら観客席に座りたい気持ちもあって。グループが人気だから難しいと思うけど、いつかはお忍びで行ってみたいですね」
佐野　「うれしいけど、これだけ音楽の話をして、大兼がライブをよく観ているのも知っているから、自分でハードルを上げちゃった怖さはありますね（笑）」

「これまでいろんな作品で大兼を観てきて、
影がある役や、攻撃的な役の
イメージがあったので、
最初はその印象に引っ張られていたんです。
でも現場では黒板に落書きをしたり、
みんなで楽しめることを率先して始めてくれて、
いつも居心地のいい空間を
つくってくれていました」

「顔合わせや本読みでの
よそよそしい雰囲気を壊してくれたり、
現場でも話しかけてくれたり、
明るくて周りのことを考えてくれている人。
たとえ自分が得意じゃないことでも、
僕にあわせて付き合ってくれる人だとわかり
めっちゃいい奴！と思いました（笑）」