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INTERVIEW

BEAUTY beyond breakthrough

唐田えりか
ブレイクスルーの先の
「美しさ」

作品に出演するたびに新たな一面を見せてくれる唐田えりかさんが、最新作『Page30』で挑んだのは自身と同じ女優という役柄。彼女が考える、人として、役者としての美しさとは。

困難が訪れたときは、
自分を変えるチャンスだと
考えています

 4人の女優が役者人生をかけた舞台に挑む中で、演じることへの思い、隠していた感情が露わになっていく様を描いた映画『Page30』。この作品で唐田さんは、なかなか殻を破れずにいる“二流役者”琴李を演じた。 
 「琴李はプライドが高くて、それゆえに生きづらくなってしまった人。完璧でなければ人前に立てない、弱さを見せられないことが弱さになってしまったという印象がありました。ただ、余裕のなさからいろんな感情のエネルギーが溜まってパンパンになっている感じは自分と通ずるものがあって。それをこの作品で爆発させた気がします」
 
 映画の中の女優たちのように、それを演じる唐田さんもある種、試されていると感じることもあった。それをプレッシャーに思うのではなく、「ワクワクした」と振り返る
 「ご一緒した役者の御三方の発言や行動力、野心、そして堤(幸彦)監督からのアイデアに刺激をもらって、『ここまでやっていいんだ』『この現場だったら自分のやりたいことに蓋をせずにやってもいいのかもしれない』と思って。そこからはどうしたら自分がこの作品のスパイスやユーモアになるかを模索したり、楽しそうに演出してくださる堤さんにおもしろいものを見せたいと思ったり、今までできてこなかった“真剣に遊ぶこと”ができた気がします」
  
 クライマックスでは役者として追求し続けたいと思わせられる、ある感覚にたどり着く。
 「最後のシーンを撮っているときに、この作品に関わっているすべてのみなさんと気持ちが通じ合って、ひとつになったのを感じて。それをどう説明したらいいのか、今も言葉が見つからないんですけど、私はあの感覚に出会うためにお芝居をやめられないだろうし、わからないからこそ、ずっともがいて、でも楽しんでいけるんだと思います」
  
 作中で大きな壁に直面した女優たち。もし唐田さんだったらどう立ち向かうのだろうか。
 「まだなにかを乗り越えたと胸を張っては言えないんですけど、乗り越えられないことはないと信じています。私は難しいことをどんどんやっていきたいし、そうじゃなきゃ楽しくない。自分を高められるものは難しい試練の中でしか得られないと思うので、困難がやってきたときは自分を変えられるチャンスだと、プラスに考えています」
  
 現在27歳。数年後にはPage30=30歳を迎える。
 「30歳でこうありたいと考えるよりも、今はこの先の自分がどんなおもしろい時間を送れるかが楽しみで。これからもワクワクすることをやっていきたいなと思いますね」

01
「“美しさ”は
 磨いてつくられるもの」

ほがらかで凜とした美しさをまとう唐田さん。そんな彼女が考える美しさは、自分をブラッシュアップしたことで見えてくるもの。

「美しさは磨いて、磨いて、
つくられていくものだと思うんです。
自分自身と向き合って、吟味するように
磨き上げていく作業を続けていくこと、
そしてそれを続ける強さに
美しさを感じます」

02
「自分の意思を伝えられる
 強さって美しい」

現在、韓国でも活動中の唐田さん。文化も言葉も表現方法も違う場所で見つけたのは、自分の芯を大切にする強さ。

「韓国でお仕事に関しての話し合いをしていると
ディスカッションの熱量がすごく高いんです。
それは『自分の意思はこうです』
と伝えるためで、
そもそも自分の信念を人に伝えるのって
なかなかできないことだと思うから、
カッコいいなと思いますね。
そういう強さには美しさを感じますし、
いつも刺激をもらって持ち帰っています」

03
「自分自身を高められる方向へ
 動くようになりました」

演技を通して自分をむき出しにし、「極悪女王」では役のために肉体改造に挑戦。様々な経験から見つけた、自らの美しさを磨く方法を聞いた。

「食べたもので体がつくられると学んだので、
いいものを食べて
栄養を体に行き渡らせることと、
ジムやキックボクシングで
体を動かして
発散する時間を大事にしています。
精神面ではどうやったら
自分を高めていけるかを考えていますね。
いいものをインプットして
自分の心を動かしたり、
人の心を動かすアウトプットをできる
人間になりたいので、芸術に触れたり、
いろんな場所に行って人と話したり、
自分を人間として高められるほうへ
意識的に動いています」

04
「自分をさらけ出す瞬間も
 魅力的であれたら」

これまで、様々な監督から「映りを気にしないんですね」と言われてきたという。自分の見せたい形やエゴを超越した、演者としての美しさとは。

「私がいろんな作品を観ている中で
すごく美しいなと思う瞬間は、
役者さんが自我から離れたものを
見せてくれる瞬間というか、
映りなんて気にする隙すらない中で、
芝居を追い求めて
自分をさらけ出しているときで。
それすらも魅力的に思わせられる人は
すごいなと思いますし、
自分もそうあれたらいいなと思います」

オープンカラーシャツ¥28,600、中に着たキャミソール¥23,100(ともにマカフィー/トゥモロランド) ショートパンツ¥48,400(カカン) ドリス ヴァン ノッテンのジャケット、その他(すべてスタイリスト私物)


PROFILE

唐田えりか

からた・えりか 1997年9月19日生まれ、千葉県出身。2015年に女優デビュー。2018年公開の映画『寝ても覚めても』では初主演を務め、第40回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。近作「極悪女王」では、体を張った演技が話題を集めた。

INFORMATION

映画『Page 30』

あるスタジオに集められた4人の女優たちは30ページの台本を渡され、4日後に舞台公演を行うと告げられる。稽古を通してぶつかり合う中、徐々にそれぞれが抱える事情が暴かれていく……。監督を堤幸彦、エグゼクティブプロデューサーをDREAMS COME TRUEの中村正人が務めており、4月11日に東京・渋谷にオープンするテントシアター「渋谷 ドリカム シアター」などで上映予定。
 
●原案/監督:堤 幸彦 ●主演:唐田えりか、林田麻里、広山詞葉、MAAKIII ●音楽:上原ひろみ、中村正人 ●エグゼクティブプロデューサー:中村正人 制作/配給:DCT entertainment,Inc. ●4月11日(金)渋谷 ドリカム シアター他 全国映画館にて公開 ●https://page30-film.jp/

©DCTentertainment


model_ERIKA KARATA
photographs_ KOUSUKE MATSUKI
styling_ TAIKI MISHIMA
hair & make-up_ AKEMI EZASHI[mod's hair]
interview_ SONOKO TOKAIRIN

※SPRiNG2025年5月号掲載の記事を再編集したものです
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。