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INTERVIEW

PROJECTION Hokuto Yoshino

吉野北人の「今」を
投影するものたち

主演映画の公開、2nd写真集の発売と、いつにも増して注目が集まっている吉野北人さん。最新のマインドを投影する「大切にしているもの、言葉」から、映画『遺書、公開。』の撮影エピソードまで、たっぷりとお話をうかがいました。

(projection #01)

GOLD JEWERLY

「映画などの作品に出演するとき以外、お風呂に入るときも寝ているときもジュエリーをずっと身につけています。衣装のときもジュエリーはいつもお気に入りの私物を使うことが多く、ライブの衣装にあわせてシルバーを使うこともあるけれど、基本的にはいつもゴールド。なにかで外国の方がつけているのを見て、それがすごく気になって。そこから調べて、探して、華奢なネックレスを買ったのが最初です。全部ゴールドで統一しているんですが、身につけていると落ち着く、僕の中ではお守りみたいなものですね」

(PROJECTION #02)

RICOH GR Ⅲx

「2年くらい前からスマートフォンでごはんや日常の写真を撮るのが好きになったんです。そうしているうちにどんどん興味が出てきて、『もっといいカメラで撮ったら、もっといい写真になるんじゃないか?』と思ってちゃんとしたカメラを買いました。YouTubeやネットでたくさん調べて、評判がよかったのが『RICOH GR Ⅲx 』。扱うのは難しいけど、いい写真が撮れるんです。旅行するときも、ライブで地方に行くときも欠かさず持って行く、僕の必需品ですね。ごはんを撮るつもりで買ったけれど、日常のワンシーンを何気なく撮ることが多いです。2nd写真集『Orange』限定版の特典として、僕の写真をまとめた旅行写真集がつくんですが、今後もっとカメラを活かした活動がしたいですね」

(PROJECTION #03)

「夢に向かって
走り出せ」

「コレは中学校のころから仲のよい友達5人で掲げていた言葉で、『夢に向かって走り出せ』というグループラインがあったんです(笑)。みんなそれぞれなにか夢を持っていて、僕は歌手になることで、友達はカリスマ美容師になる! とか、消防士になる! とか。みんなで叶えようと奮起していたので、今でもこの言葉を大切にしています。単純だけど、大人になるといつのまにか薄れていってしまうものだと思うので、この言葉を胸にがんばっていきたいし、ずっと大事にしたいと思っています。あと、じつはこの言葉をもとにした曲を作ったことがあるんですよ。『RUN TO A DREAM』というタイトル。だれにも聴かせたことはないし、データも残してないんですが、今でも頭の中にメロディーは残っているので、いつか形にできたらいいなと思っています」

INTERVIEW of Hokuto Yoshino

僕の存在が観てくださるみなさんの
心休まるポジションになれたら

―本作への出演が決まったとき、どう感じましたか?
吉野北人(以下、吉野):やる前から本当に楽しみでした。脚本が鈴木おさむさんって聞いて、これはおもしろくなりそうだと思ったんです。さらに原作を読んで、“これが映画化したら絶対おもしろいじゃん!”って確信に変わって。だから迷わず「やります!」って答えました。とはいえ最初は「僕が学ランを着ても大丈夫かな」って心配だったんですが、衣装合わせのときに英勉監督が「いちばん違和感がないよ」って言ってくださったので、それなら安心して演じられるなと思いました(笑)

 
―本当にお似合いでした。今回の作品はかなり衝撃のシナリオですね。

吉野:演じている僕自身も、最後までだれがどうなるんだ!? ってストーリーに没入してしまうほどでした。ありがたいことに主役をやらせていただいているんですが、全員が重要人物で、だれひとり欠かせない。周りが強いキャラクターばかりなので、僕の役がいちばん“普通”の目線を担っている感じなんです。表情がフィーチャーされることが多かったり、演じていて難しさを感じる瞬間が多かったですが、キャラクターを立てすぎないように、“抑える”ことを意識して演じました。僕の存在が、観てくださるみなさんの心休まるポジションになればいいなって。

 
―教室が舞台の中心ですが、現場の雰囲気は?

吉野:基本的には和気あいあいとしていました。でも、演技の話で真剣に盛り上がったり、僕よりもずっとキャリアのある役者さんに囲まれた現場だったので、ほかの現場のお話を聞いたりしました。―とくにどなたと話すことが多かったですか?吉野:琉弥(宮世琉弥さん)や奏(IMP.の松井奏さん)ですね。奏は同じアーティストでもあるので、打ち解けるのはいちばん早かった。このあいだも一緒にディズニーランドに行ってきました(笑)。

 
―ちなみに宮世さんは?

吉野:琉弥は忙しくてスケジュールが合わなかったんです(笑)。

 
―お芝居の面ではどういう刺激を受けましたか?

吉野:自分で台本を読んで「こんな感じになるかな」って現場に臨むんですが、テストの段階でほかのキャストの方から自分が思っている以上の演技が返ってきて、「こうやってやるんだ!!」とか「ここまでやるんだ!?」と、驚くことばかりでした。自分も鼓舞されてがんばらなきゃと思う反面、でも自分の役としては抑えながら演じなきゃってジレンマに陥ったり(笑)。本当にみ
んなすごいんですよ!

 
―座長として現場の空気づくりも意識しましたか?

吉野:そうですね。本来は僕がやるべきかなとは思っていたんですが、そういうタイプでもなくって。英監督がメイク前にみんなに声をかけて盛り上げてくれていました。僕は差し入れをすることしかできなかったです(苦笑)。コーヒーと甘いものが定番!

 
―差し入れ番長だったということですね(笑)。久しぶりに学生というものを体験されたと思うんですが、なにか思い出に残ったエピソードはありますか?

吉野:クラスメイトというシチュエーションだからかもしれないんですが、仲のいいグループみたいなものが自然とできていったのが印象的でした。大人になってもこういうことってあるんだなって、しみじみ考えちゃいました。もちろんみんな仲はいいんですが、役柄で関連性の高い人同士がグループになったり。一緒にお手洗いに行くこともあって、“うわ~懐かしいな~”って思いました(笑)。みんな学生服でしたしね。

 
―ご自身と役柄の共通点はなにかありましたか?

吉野:自分からあまり前に出ないというか、うしろから見て空気を読んで動くみたいなところが似ているかもしれないです。だから、こうやればいいんだなって自然とイメージできました。グループでの僕はヴォーカルで、本来は前に出ないといけないポジションなんですが、あんまり得意ではないですね(笑)。

 
―ずばり、この作品の魅力は?

吉野:クラスに突然SNSで送られてきた「序列」に戸惑う中、序列1位だった女子生徒が自殺したことで、クラスがパニックになっていくストーリーなんですが、今はSNSでだれがなにを言ってもいい空気感があって、それがだれかわからないというか、見えない。そういう“見えない怖さ”がこの作品にもあって、人の持つ欲望がどんどんあぶり出されるような、まさしく今の時代に沿った内容だと思うんです。だから、言葉の重みだったり、行動の重みだったり、今だからこそ届けられるものがたくさん詰まった作品だと思います。この作品を観て、いろいろ考えたり、なにか心に残るものを持って帰っていただけたらいいなと思っています。


PROFILE

吉野北人

よしの・ほくと 1997年3月6日生まれ。宮崎県出身。総勢16名からなるTHE RAMPAGEのヴォーカルであり、俳優としても活躍する。主演映画『遺書、公開。』では、序列19位の池永柊夜を演じるほか、2024年12月より配信開始しているTHE RAMPAGEの楽曲『Drown Out The Noise』が主題歌に決定している。2nd写真集『Orange』(幻冬舎)が1月24日より発売。

INFORMATION

映画『遺書、公開。』

2年D組のクラスに突如送られてきた【序列】。謎の序列に戸惑う中、序列1位の姫山 椿が学内で自殺したことで状況が一変する。手がかりになるのは葬儀の日にクラス全員に届けられた姫山の遺書。各々に届いた遺書を公開し、死者から明かされる真実に迫っていく。
 
●監督:英勉 ●脚本:鈴木おさむ ●原作:陽東太郎『遺書、公開。』( ガンガンコミックス JORKER/スクウェア・エニックス刊) ●出演:吉野北人、宮世琉弥、志田彩良など ●配給:松竹 ●1月31日(金)全国公開


model_ HOKUTO YOSHINO[THE RAMPAGE]
photographs_ IBUKI YAMAGUCHI[w]
styling_ KEISUKE YOSHIDA
hair & make-up_ TOSHIYASU OKI
interview_ MIKA ADACHI

※SPRiNG2025年3月号掲載の記事を再編集したものです
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。