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約1年ぶりの登場となる、長濱ねるさん。前回同様、可愛らしいパブリックイメージとは逆のハンサムな女性像にチャレンジしてもらいました。トレンドのピンクをハンサムに着るなら? をテーマにファッションシュートを敢行。クールな魅力があふれるねるさんの、27歳の現在地をここに。
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ランジェリーライクなエッセンスを
色っぽさのあるサテンのスリップ風スカートはこの春絶対に手にしておきたいアイテム。ハンサムさをキープするためにオールブラックでまとめ足元はトングで女っぽさを抑え、韓国っぽなアイウェアでエッジを効かせて。まさにSPRiNG的推しスタイル!
スカート¥33,000 (バウム・ウンド・ヘルガーテン/S&T)シアータンクトップ¥22,000(ラインヴァンド/ラインヴァンド カスタマーサポート)中に着たタンクトップ¥7,920 (メゾンスペシャル/メゾンスペシャル 青山店)パンツ¥8,030 (オビスアンド) メガネ¥9,420 (ミロウーマン/ハナ ショールーム)バングル¥79,200 (リューク)サンダル¥24,200 (モリーニ/ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム)
SENSUAL JACKET
センシュアルに着る
ジャケットスタイル
オトナのピンクはクラフツマンシップが光るものを。オーバーサイズのエンブロイダリージャケットは贅沢にセットアップでピンクを全面に印象づけつつも、シアーなビスチェで肌感を出し、余裕のある着こなしに。
ジャケット¥71,500、パンツ¥48,400、中に着たシアービスチェ¥20,900( すべてフミエタナカ/ドール)イヤカフ¥36,300 (リューク)右手につけたリング¥25,300、左手につけたリング[2本セット]¥19,800 (ともにテン)
SMOKY PINK
LAYERED
スモーキーなピンクとのレイヤード
端正なベージュのボトムスを受け皿に、振り返ったときに可愛らしさのギャップがあるリボンタンクを仕込んで。淡いカラーの中でコントラストを効かせたレイヤードにセンスのよさがにじみ出る。
トップス¥16,500 (ババコ/オーチャードレーン)中に着たシアーボディスーツ¥24,200 (マージ)、バッグ¥19,800 (ヴィスク/ともにS&T)スカート¥28,600、パンツ¥36,300( ともにリトルスージー/リトルスージー アパートメントトーキョー)チョーカー¥10,890 (ラム・シェ)ピアス¥55,000、リング¥33,000 (ともにプラウ)サンダル¥37,400(モリーニ/ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム)
SWEET & SPORTY
スウィートで裏切るスポーティ
数シーズン注目されているスポーティなギミック。どこかメンズライクな印象のあるマウンテンジャケットもピンクとなるとむしろ女性らしさが引き立ち、なんだか新鮮。渋めカラーのベロアスカートから、ソックスを覗かせてセンシュアルに。
マウンテンジャケット¥33,000(メゾンスペシャル/メゾンスペシャル 青山店)スカート¥52,800 (アオイワナカ)ピアス[片耳]¥24,200(マユ/マユ ショールーム)リング¥14,850 (ソワリー)ソックス¥3,630 (ババコ/オーチャードレーン)
INTERVIEW
葛藤を超えた先で、自分のままで
表現することの本質に触れられた
――取材が始まると、一枚の写真を見せてくれた。それは、ピンクのジャケットをまとった自身の姿。
「まさに私もピンクを着たい気分。今回、自分の今のムードに重なるテーマで驚きました」
――ずっとどこか距離を取っていたピンクを自分の意思で選び取る。これは単なるスタイリングの話ではなく、彼女にとって「可愛いすぎたくない」という長年の葛藤と向き合う、ひとつの物語だった。
「10代のころは、あえて可愛らしい色みを避けて、オーバーサイズの服を選んだり、できるだけボーイッシュに寄せてみたり。“甘さ”から距離を置いている時期がありました。でも25歳を過ぎたころから、少しずつ甘い服も自分の選択肢に入ってきたんです。甘さを否定するんじゃなくて、自分でコントロールする感覚に変わったのかもしれません」
――その変化の根底にあったのは、他者の視線から少しずつ距離を取れるようになったこと。年齢を重ねる中で視線の重さがやわらいでいった。
「昔は、自分がどう見られているのかとか、どう思われるんだろうってずいぶん気にしていました。でも、自分自身もそうですけど、意外と人の服装を見て、何か思うことってないなと気づいたんです。そう思えたときに、もっと好きな服を、自分が可愛いと思える服を着たいなと自然に思えるようになりました。未来の話になりますが、私は可愛いおばあちゃんになりたくて。私の祖母はとても派手で、真っ赤なニットを着たり髪を紫に染めたり、とにかくファンキー。地元で目立っています(笑)。でも、それがすごく似合っていて素敵なんです。好きなものを選んできた人の強さみたいなものを感じます」
――装いは、ただ“好き”を重ねていくだけでいい。
「好きなものを選んでいるほうが、身につけたときに“ よし!”と前を向けるような、自信につながる気がしていて。メンタル的にも背中を押してくれるというか。等身大ではなく、あえて少し背伸びをするようなアイテムも選べるようになってきて、最近は〈FETICO〉や〈チカキサダ〉といったブランドにひかれます。大人っぽさの中に、女性らしい柔らかさが感じられて、今の自分が求めているものにフィットします」
――そして、話題は自然と俳優としての仕事へと移っていく。装いとの向き合い方の変化は、彼女にとって、表現者としての在り方ともどこかで結びついているようだった。
「だれもが“本当の自分”と“周りから見られている自分”の間で、少し悩むことってあると思うんです。でも自分を通して何か表現しようとしたときに、自分がどう見られているかと意識してしまうと、表現自体の邪魔になってしまう瞬間があって。それって、自分が目指しているお芝居とは少し離れてしまう気がしたんです。でも、自分自身の見られ方を俯瞰せず、自分のままでいてみようと思えたときに、少し楽になりました。自分を“容器”だとするなら、この容器のまま表現してみる。そこを切り離せるようになったのは、俳優の仕事を始めてからかもしれません」
――自分をそのまま受け入れるという感覚は、日常の言葉にも少しずつ影響を与えていく。彼女が長く抱えてきたのは、自分を守るための“自虐”という習慣だった。
「よくないなと思ってやめようとしている癖です。予防線を張るように、自分から先に弱味を言ってしまうことが多くて。それって多分、人に嫌われたくないとか、自分が傷つきたくないとか、そういう思いから始まっている。けれど、その言葉をいちばん近くで聞いているのは、紛れもなく自分自身なんですよね。人に寛容でいるためには、まず自分を受け入れてあげたい。だから、自分に“まあいっか”と言ってみるようにしています。外見は生まれ持ったものだし、コンプレックスもたくさんあるけど、洋服やメイクで見え方は変えられる。そこはちょっとずつ軌道修正できたら」
――完璧に肯定するのではなく、否定し続けないこと。SNSという表現の場についても、こんなふうに捉えている。
「今って“自分らしさ”という言葉がすごく話題になりますけど、生活の中でまるごと自分を肯定するって難しいなと思っていて。私自身は、自分らしい=ありのままでいなきゃいけない、というわけじゃなくてもいいのかなと捉えています。SNSは虚像だと言われることもあるけど、私は、その場所だけでも“なりたい自分”を出せているなら、それはそれで健康なんじゃないかと思います。ファッションだったり、メイクだったり、自分の“なりたい”に近づけるツールがたくさんあるって、すごくいいことですし、実際に私もたくさん助けられてきて、丸裸だったら自信が持てないけれど、少し武装できるような感覚がありますから」
――彼女の考え方に大きな影響を与えた出会いがある。作家の西 加奈子さんと食事をしたときのことだ。
「西さんが、誕生日プレゼントに木刀をくれたんです。私が、自己表現がすごく苦手なのを知ってくださっていて、“強い人間になる後押しに、まずは木刀から”って(笑)。でも、それをもらったときに、『ああ、素敵な大人に出会えたな』と無性にうれしくて。ユーモアもあるし、自分では思いもよらない角度のプレゼントでしたし」
――西さんの言葉は、さらに深く彼女の中に残った。
「西さんは本を書く人ですが、『表現する人間にはそれぞれ“担当”がある』とおっしゃったんです。西さんには、西さんだから書けること、私には、私だから演じられることがある。さらに、どれだけ想像しても、配慮しても、それはあくまで自分の見えている範囲の中の多様性でしかないということ。誰も傷つけないようにしようとすること自体が、ある意味では傲慢かもしれないと言われたときに、確かにと痛感したんです。自分の表現できることを、自分自身という“担当”の範囲を弁えて、全うするだけで充分なんだなって」
――今年で28歳。30代を視野に入れた今、長濱さんは“自分の色”について、日々考えている。
「その人が演じるから、その人の色が出る。そんな素敵な俳優さんになるには、自分の色をちゃんと出していかないといけないのかなって思うようになりました。そのためには、ただ言われたことをやるだけじゃなくて、“私はこう思います”と意見を提案してみることもきっと必要なんだろうなって。その意識を後押ししたのが、ドラマ『ストーブリーグ』の現場でした。私が演じたのは、怒りで時には人の胸ぐらをつかむような激しさを持つキャラクター。自分の引き出しにはない部分をどうしたら表現できるのかずっと悩んでいて。でも、“何かを守るために怒っている”と考えたときに、ただ表現の仕方が違うだけで、その感情は自分の中にもあると思えたんです。撮影中は監督や主演の亀梨さんが何度も手を差し伸べてくださって、やり遂げられた作品です。一緒に作品をつくることを改めて実感できた現場で、大きなターニングポイントになりました」
――インタビューも終盤。最後はこれからの未来について。
「軽やかな大人に憧れます。カラッとしていて、変化を恐れない人。私は昔から“変わったね”と言われるのがすごく怖くて、不安になっていたんです。でも、考え方も性格も変わっていくのは自然なこと。変わっていく自分をその都度、肯定してあげられたらいいなと思います」
PROFILE
長濱ねる
ながはま・ねる 1998年9月4日生まれ、長崎県出身。直近の出演作に、ドラマ『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』『未来電車“あの日”を知らないあなたへ』など。3月28日より出演ドラマ『ストーブリーグ』がLemino・WOWOWで一挙放送・配信。
model_NERU NAGAHAMA
photographs_YASUTOMO SAMPEI
styling_MIYU YASUMI
hair & make-up_NOZOMI ONDA[Shiseido Co., Ltd.]
interview_HAZUKI NAGAMINE
※SPRiNG2026年5月号掲載の記事を再編集したものです
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